2002.5.22 (Wed)
登山口気温15度。山頂気温13度。
天候は曇りだけど、風も弱く暖かい一日でした。

足を負傷してから80日。全快とまではいきませんが、このままでは筋力が落ちてしまいそうなので、 復活登山をしようと考えました。最初に登る山は、大山しかありません。
左膝にテーピングとサポーター。荷物は極力軽くして、両ストックです。下りのことも考えて、ゆっくりゆっくり・・・左膝はいっきに20才以上年老いた感じ。 山頂まで3時間20分も掛かりました。

溝口付近から 大山寺橋から
溝口I.C.付近からの大山。 大山寺橋からは稜線が綺麗に見えていました。
山の木々も若い芽が伸び、黄緑の葉が風に揺れています。

1合目 ブナの木
懐かしい1合目。暫く来ない間に、木々が新緑から深緑になって生命力にあふれています。山頂を目指す想いよりも、再たこの場所に立って山の息吹を感じられる事に喜びを感じ、思わず深呼吸。

ギンリョウソウ 
落ち葉の中から白いギンリョウソウが顔を持ち上げていました。右はミヤマガマズミ。

3合目 クルマバソウ
3合目。葉が車の車輪のようなところから命名されたクルマバソウが満開でした。

ユキザサ イワカガミ
  ユキザサも咲いています。今年は春の訪れが早かっただけに、花も咲き急いでいるようです。4合目下、満開のイワカガミ。

4合目 チゴユリ
3月に来た時は雪に埋もれて、どこにあるか分からなかった4合目の標識。チゴユリも咲いてます。奥にぼやけているのはユキザサ。

マイヅルソウ タチツボスミレ
鶴が舞っているように葉が見えるマイヅルソウ。スミレは種類が多くてよく分かりませんが、これはタチツボスミレ。

ヤマシャクヤク ヤマシャクヤク
数が減った山の女王「ヤマシャクヤク」を10本程見つけましたが、殆ど終わりかけでした。でも、6合目の上では小さな蕾が・・・

6合目からの北壁
6合目避難小屋から見る北壁。ガレ場に少し残雪が見えます。

7合目から
7合目から上部「8合沢」を見上げる。私が滑落した感慨深いこの沢も、今は新緑が一面に・・・
 

草鳴社ケルンからの展望
草鳴社ケルンからの展望。残念ながら弓ヶ浜はかすんでます。

8合目からの北壁
ケルン 8合目上から展望する北壁。 写真右下に(赤い点がピッケルのバンド)亡くなったYさんのピッケルで作られた慰霊碑がありました。線香をお供えして、ご冥福をお祈りしました。

「命を大切に」よく聞く言葉ですが、その感覚は自分が体験しないと分からないものです。私は、まさか自分がここで転倒し、しかも滑落するなんて思ってもいませんでした。きっとYさんもそうだったと思います。
大自然はいとも簡単に人間の命を奪ってしまうものです。
私は、ただ合掌するしかありませんでした。

 

9合目 山頂小屋
9合目付近のダイセンキャラボクも深い緑の絨毯のようです。山頂小屋管理人のKさんが笑顔で迎えてくれました。「やっと、登れたんだ」と実感した瞬間です。 今年から、朝方3時間だけ発電機を回して水洗トイレ処理の補助と共に、冷凍庫で氷を作り、売店の飲み物を冷やしているそうです。ですから、今年からは冷えたビールが飲める訳です(値段は据え置き)。  小屋のバッテリーもフル充電していて、快適な水洗トイレが稼動しています。

頂上から
山頂から弥山〜剣ヶ峰〜槍尾根、そして烏ヶ山を展望する。

ダイセンキスミレ ヤマハタザオ
三角点付近に咲くダイセンキスミレとヤマハタザオ。

弥山から
トップベージに「後何回ここに立てるのか・・・」と書きましたが、怪我をしてからは「本当にもう山に登れないのでは・・・」 と思う日が続きました。しばらく無言でこの景色を眺めていました。

弥山から小屋方向
三角点から小屋方面を見る。

行者谷コース オオカメノキ
下山は両ストックをしっかり使って、左膝に負担を掛けないように・・・行者谷コースへ下りました。
オオカメノキ(ムシカリ)は満開。

元谷より北壁
元谷小屋前からの北壁。斜めから写真を撮るとパノラマ合成がこんな風に・・・

ダイセンクワガタ お地蔵さん
ガレ場に咲くダイセンクワガタ。高さが10cm位の可愛い花なので、注意してないと見逃します。
優しい顔のお地蔵さんに、今日のお礼と・・・「これからもよろしくお願いします」

鍵掛峠より

 

 

帰り道、鍵掛峠から大山南壁を望む。

 

深緑と南壁のガレ場の調和が見事ですね。

緑が濃さを増すスピードよりも、私はゆっくりとゆっくりと歩いていきたい。。。

 

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