2007.4.29 (Sun) |
登山口手前の 田浪から眺める 毛無山 |
今年も出会えた サンインシロカネソウ (山陰白銀草) (キンポウゲ科) |
林道分岐の登山口 | 復活したサンインシロカネソウ |
ハシリドコロ(ナス科) 有毒植物です。 | 気持ちの良い登山道 |
ブナの根っこの登山道 | 8合目(山頂まで0.3kmは間違いでしょうね) 0.5km以上はありそうです。 |
9合目小屋が見えて来ました。 | ショウジョウバカマ(猩々袴・ユリ科) |
毛無山山頂(1218m) | 西毛無山(1216m)を眺める。 |
カタクリ(ユリ科) | カタクリ広場は、満開です。 |
白馬山(ハクバサン)山頂(1060m) | 走るカタクリ |
キクザキイチゲ(キンポウゲ科) | トキワイカリソウ(メギ科) |
爽やかなヤマエンゴサク(ケシ科) | 山の家から毛無山を眺める。 |
不動滝(雌滝・落差7m) | ヤマルリソウ(ムラサキ科) |
ニリンソウ(キンポウゲ科) | ヤマネコノメソウ 種ができると、 ネコノメソウと呼ばれる所以が分かりますね。 |
山野草の女王 カタクリ(片栗・ユリ科)の不思議 古名は「カタカゴ・傾籠」 籠を傾けたように咲くことから。これが変化してカタクリになったとも言われています。 カタクリは、北海道から九州まで、朝鮮半島から中国にも分布する多年生草本。 地下の球根には良質のでんぷんを含み、これを精製したのが本物のかたくり粉。 現在、市販されているかたくり粉の多くはジャガイモのでんぷんです。 カタクリの花は下向きに咲き反り返っていますが、常に反り返っているのではなく、夜から朝はラッパ状に 閉じており、寒かったり天気の良くない時にはあまり開きません。 このような花の開閉運動は生長運動であり、花が開くときには内側が生長し、閉じるときには外側が生長 します。 つまり、夜は雄しべや雌しべを夜露から保護し、昼間はよく目立つような仕組みです。 花の寿命は、1週間前後。花びらは6枚ですが、外側3枚はガク、内側3枚が花弁です。(左の写真を参照) 雄しべは長短3本ずつ時期をずらして成熟し、自家受粉を防ぐ為、雌しべの方が長くなっています。 一つの花から、20〜25個の種ができ、種で増えますが、その運搬役はアリです。(左の写真 「身近な野草」HPから) 種にはアリの好物の栄養体(エライオソーム)部分があり、アリによって巣の中に運ばれた種は、 エライオソームだけが外され、ゴミとして巣の外に捨てられて発芽します。 そのお蔭で様々な場所で発芽し、増えることが可能なのです。 花が咲くまで7、8年かかると言われていますが、最初、種子から出た子葉は糸のように細長く 長さは6〜8cm、直径は1mmに満たないもので、約半月後には黄色くなって枯れます。 しかし、根元では小さな鱗茎(養分を蓄える器官で地下茎の一種)ができており、翌年そこから本葉が1枚出ます。カタクリが地上で光合成を行える期間は非常に短く、その養分だけで繁殖を行うには不十分です。 しかし、1枚の葉であっても、夏の休眠中に呼吸で消費される分を差し引いても、前の年より少し大きな葉をつけるだけの養分は残ります。葉が大きくなればそれだけ作られる養分が増え、その翌年にはさらに大きな葉を作ることができるのです。 こうして7年も8年もの年月をかけて、カタクリは葉を大きくし養分を蓄え、1枚しか葉のない無性段階からようやく花をつける有性段階にまで成長します。 有性個体になると2枚の葉が開き、そして花が一つだけ咲きます。 花や葉の成長には前年の春に蓄えられた養分が使われますが、花茎がすっかり伸びた頃にはほとんど使い尽くされ、その後はその春開いたばかりの2枚の葉の働き(光合成)によって作られた養分による生活が始まります。 毎年(開花してから10〜20年以上?)花を咲かせる度に地下茎は下へ下へと延びていきますが、時には葉を1枚として翌年の花の為に養分を作るだけの年もあります。 そんな可憐なカタクリですから、これからも大切にしたいものですね。 |